師匠の音🎷
私が初めてサックス のレッスンに行ったのは、高校3年生の秋。
当時、吹奏楽部の嘱託顧問をされていた先生に、音大に行くために行くためにある先生を紹介してもらった。
中村圴一先生だ。
先生の音を聴いた時のことは今でも覚えている。未だに目に浮かぶではなく、未だに耳に奏でているとでも言うのだろうか。鮮明に残っていることに間違いはない。
そして自分の音を鳴らすことが恥ずかしくなった記憶も残っている。
とても悔しかった。狭い環境の中で満足してしまっていた自分にとって、扉が開いた瞬間でもあった。
あれから先生のもとを離れ、23年。久々に先生の音を聴いた。大学の先輩からコンサートが名古屋であることを教えてもらったのだ。
忘れもしないあの音。健在であった。
そしてまた、悔しかった。でも嬉しかった。近づけているのか、差が縮まったのかどうかはわからない。それが分かる物差しなどないから。
でも、今私が先生という立場になって思うのは、同じように生徒さんに思ってもらうことが近づいたと言える何よりの証拠に変わるかもしれないということ。
音楽には言葉以上の力がある。そう思ってもらえるよう私も日々精進したいと思う。
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